大人の矯正歯科治療について
治療開始のタイミング
矯正治療は思い立ったときが始めどきです。結婚式や就職、子育てが落ち着いた時期など、人生にはさまざまなライフイベントがあります。そのタイミングに合わせて計画することで、無理なく治療を進めることができます。
矯正歯科治療の適齢期
大人の矯正治療に年齢制限はありません。歯や歯肉が健康であれば、何歳からでも矯正を始めることができます。これまで年齢を理由にあきらめていた方も、口元を整えることで笑顔や会話に自信が持てるようになります。治療を始めるのに遅すぎることはなく、前向きに一歩を踏み出すことで、将来のお口の健康と美しい歯並びを手に入れることができます。
大人の矯正歯科治療のメリット

美しい歯並びを手に入れ、コンプレックスが解消される
歯並びが整うと口元の印象が明るくなり、写真や会話の場面でも自然と笑顔になれます。見た目の変化に加えて発音もクリアになり、日常や仕事でのコミュニケーションに自信が生まれます。
歯周病やむし歯の予防
歯の重なりが解消されると、ブラッシングやフロスが行き届きやすくなり、汚れ(プラーク)のたまりも減らせます。結果として歯肉の炎症や出血、むし歯のリスクを抑えやすくなり、将来的に歯を長く守ることにつながります。
顔のバランスが整う
歯の位置や角度、上下のバランスが整うと、口元の出っ張り感がやわらぎ、横顔やスマイルラインも自然に整います。無理のない計画で機能と見た目の両立を図ることで、仕上がりの美しさと長く続く安定を目指せます。
咬み合わせが良くなる
正しい咬み合わせは食べ物を効率よく咀嚼できるだけでなく、特定の歯に負担が集中するのを防ぎます。咀嚼筋や顎関節のバランスも整いやすくなり、補綴物が外れたり、歯が削れてしまうなどのトラブル予防にも繋がります。
ガミースマイルの改善
笑ったときに歯肉が目立つ「ガミースマイル」は、見た目のコンプレックスに繋がりやすいお悩みです。矯正治療では前歯や顎の位置をコントロールすることで、歯肉の見え方を自然に整えることが可能です。さらに矯正用インプラントアンカーを併用すれば、外科手術を行わずに改善できる場合もあり、患者さんの負担を軽減しながら口元の美しさを追求できます。
大人の矯正歯科治療の
デメリット

治療期間が長い
全体矯正は一般に年単位の計画となり、通院やホームケアの継続が欠かせません。イベントや仕事の予定に合わせた調整は可能ですが、無理のないスケジュール設計が重要です。
治療中の痛みや不快感
装置装着直後や調整後は、歯が浮くような痛みや頬・唇の擦れが生じることがあります。多くは数日で落ち着きますが、ワックスや食事の工夫、必要に応じた鎮痛薬で対処します。
治療中はむし歯になりやすい
装置の周囲は汚れが残りやすく、むし歯や歯肉の炎症リスクが上がります。電動歯ブラシやワンタフトブラシ、フロスの併用、定期的なクリーニングで予防を徹底します。
目立たない矯正装置の場合は費用が通常よりも高くなる
マウスピースなど審美性の高い装置は材料や工程が増えるため、一般的な装置より費用が高くなる場合があります。
当院で行う矯正歯科治療
通常の矯正治療(表側マルチブラケット装置による治療)

当院では、スタンダードエッジワイズ法(表側マルチブラケットを用いたワイヤー矯正の基本術式)により、歯の傾き・回転・位置を三次元的に精密コントロールします。この設計に基づき、抜歯・非抜歯の判断や前歯の位置をバランスよく後ろへ下げて、横顔のバランス(プロファイル)を損なわない治療計画を立てます。
日本人の場合、多くは小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を抜歯して治療します。顎の大きさと歯の大きさ・数のアンバランスによる叢生(歯のでこぼこ)では、抜歯したスペースを利用して歯の配列を行います。上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、上下顎前突では、抜歯スペースを活用して前歯の位置を後方へ移動させる治療を行います。
一方で、比較的程度の軽い叢生や歯列に空隙(すきま)がある場合で、プロファイル(横顔のライン)を悪化させないと判断できるときは、小臼歯非抜歯での治療が可能になります。
外科的矯正治療

咬み合わせの異常が顎(アゴ)の骨の位置や大きさの異常によって生じている状態を顎変形症と言います。この場合、矯正治療と手術(正確には顎矯正手術と言います)を組み合わせて治療することで、咬み合わせの異常を改善し、さらに顔貌(お顔立ち)も改善することができます。
日本人の外科的矯正治療では大部分が骨格性下顎前突症です。骨格性上顎前突症、骨格性開咬症や顔面非対称も外科的矯正治療の対象となります。
当院では、新潟大学医歯学総合病院・口腔外科と魚沼基幹病院・歯科口腔外科が顎矯正手術の連携医療機関になっております。
外科的矯正治療(従来法)は健康保険の適用となります。
当院は顎口腔機能診断施設の認定を受けている矯正歯科医院です。
矯正用インプラントアンカー(ミニプレート、ミニスクリュー)
を用いた矯正治療

従来の日本人の矯正治療では、歯並びや咬み合わせの状態によって小臼歯を抜歯してスペースを作ることが少なくありませんでした。
しかし、「抜歯になるかどうかの境目」のケースでは、矯正用インプラントアンカーを併用することで、歯を抜かずに治療できる可能性が高まります。
また、外科手術が必要かどうかの境目と考えられるケースでも、矯正用インプラントアンカーを使うことで外科手術を行わず、矯正治療だけで対応できる可能性があります。さらに矯正用インプラントアンカーを用いると、顎間ゴムやヘッドギアの使用を減らせるため、患者さんの協力度に左右されにくく、計画的に治療ゴールへ近づけやすいという利点があります。※適応はお口の状態によって異なります。まずは検査で確認し、最適な方法をご提案します。
ミドル・シニアの矯正治療(矯正治療を含む包括的歯科治療)

昔、矯正治療をやりたかったのにさまざまな理由でできなかった方、お子さんの矯正治療を見て自分も矯正治療をやってみたくなった方など、もう歳だからといって矯正治療をあきらめる必要はありません。歯と骨をつなげる歯根膜が健全であれば、何歳になっても矯正治療は可能です。
しかしながらミドル・シニア世代では何らかの歯のトラブルを抱えていると思います。
歯周病やう蝕(むし歯)などによって生じた歯の欠損などにより咀嚼困難となり、そこで入れ歯やインプラント(人工歯根)などによる治療を希望しても、元々の歯並びや咬み合わせの不具合が災いして適切な修復治療ができない場合が多く存在します。
インプラント(人工歯根)、補綴治療(入れ歯や冠・ブリッジ)、歯の移植などと矯正治療を組み合わせないと治療できない場合など、矯正歯科医が歯科治療全体のコーディネーターとなり治療を進めていく治療がミドル・シニアの矯正治療になります。
多くの場合、矯正用インプラントアンカーを用いて矯正治療を行い、他分野の専門医(補綴治療専門医・歯周病専門医や口腔外科専門医)と連携して、難しい問題を解決するためのベストと思われる選択肢を提案します。
マウスピース型装置(単純・複雑)

マウスピース型の矯正装置は、透明で目立ちにくく取り外しができることが大きな特徴です。軽度の歯並びの乱れから、シミュレーションを活用した複雑なケースまで幅広く対応できます。取り外せるためお手入れのしやすさに優れ、むし歯や歯肉の炎症を予防しやすい点もメリットです。一方で、装着時間が短いと効果が出にくいため、決められた時間の使用を守ることが大切です。
部分矯正

部分矯正は、前歯のガタつきやすき間など、気になる部分だけを対象に短期間で改善できる治療です。全体の矯正に比べて治療期間や費用を抑えられることが多く、結婚式や就職活動などのイベントを控えている方にも選ばれています。ただし、咬み合わせ全体の改善には不向きな場合もあるため、適応できるかどうかを精密に診断する必要があります。当院では部分矯正の適否を丁寧に見極め、最適な方法をご提案いたします。
当院の
大人の矯正歯科治療の流れ
初診相談
気になること(見た目や咬み合わせ、歯がしみるなど)やご希望(装置の種類、治療期間、費用)を丁寧にお伺いし、お口の中やお顔のバランスを確認します。そのうえで、考えられる治療方法や治療にかかる期間・費用、注意点についてわかりやすくご説明します。
精密検査
正確な診断と治療計画を立てるために精密検査を行います。お口の中やお顔の写真撮影、デジタルレントゲンによる側面および正面頭部規格写真や歯科用CTによる撮影を行い、歯並びや顎の状態を詳しく確認します。また歯型をとり、歯列模型を作成します。
診断・治療計画
検査結果を踏まえ到達できるゴールを共有し、装置の種類や抜歯の必要性、治療期間や来院間隔、概算費用まで具体的にご説明します。必要に応じて矯正用インプラントアンカーや外科的矯正の適応も検討し、複数の選択肢から最適な計画を一緒に決めていきます。
治療開始
装置を装着し、計画に沿って少しずつ歯を動かしていきます。ご来院のたびにお口の中のお手入れの状態や装置の具合を確認し、ブラッシングや食習慣のアドバイスも行います。
保定
装置を外した後は、保定装置(リテーナー)で整えた歯並びを安定させます。後戻りを防ぐため、指示どおりの装着と定期健診を続けましょう。あわせて日常のケアや咬み合わせも確認し、良い状態を長く保てるようサポートします。
大人の矯正歯科治療
よくある質問

Q. 矯正治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
全体矯正の期間はおおよそ1〜3年が目安で、部分矯正なら数か月で終わることもあります。難易度や抜歯の有無、装置の種類、来院ペースによって前後します。矯正用インプラントアンカーを併用することで短縮できるケースもあります。具体的な目安は精密検査の後にお伝えします。
Q. 治療後、歯は元の位置に戻りま
せんか?
保定装置(リテーナー)を指示通り使い、定期健診を続ければ後戻りリスクは抑えられます。舌や唇の癖、食いしばり等も影響するため、必要に応じて機能トレーニングや調整を行います。
Q. 治療費は医療費控除の対象になり
ますか?
医療費控除は、咬み合わせの改善など医療上の必要性が認められる矯正で対象になる場合があります。反対に、見た目だけを目的とした矯正は対象外となることがあります。適用条件や必要書類は状況により異なりますので、詳しくは当院にご相談ください。
大人の矯正歯科治療をお探しなら「ふくい矯正歯科医院」へ
ご相談ください
大人の矯正は、見た目と機能を両立させ、将来のお口の健康を守るための大切な一歩です。新潟市の「ふくい矯正歯科医院」では、スタンダードエッジワイズ法を軸に、マウスピース型装置、矯正用インプラントアンカー、外科的矯正、部分矯正まで多彩な選択肢から、患者さんの生活背景とゴールに合わせた現実的な計画をご提案します。ガミースマイルや複雑な咬み合わせ、ミドル・シニアの包括治療にも対応可能です。まずは現状把握からでも構いません。お気軽にお問い合わせください。

